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雪対策

作物の収穫が終われば足元で自由に脚立を立てることができます。雪が積もれば雪の上に上がって脚立なしでパネルに手が届くようになります。その時こそ、これまで面倒だった作業が簡単にできるようになります。

   

左の写真はパネルから落ちた雪の「山脈」を写したものです。雪山の上に立つと顔は太陽電池パネルの上にでます。中央の写真はカメラを目から離さずに撮ったものです。パネルの上の面での作業が楽にできます。雪山が不便な場面もあります。右の写真で、パワーコンディショナーの計器を見るのに体を屈めなければなりません。このパワーコンディショナーが雪に埋もれるほどの大雪が積もったことはありません。

2015年2月18日、発電開始以来最高の積雪になりました。この時は右の写真の筋交いの下端よりも雪面が高くなりましたが、ケーブルの所はパワーコンディショナーの下になるので雪面が低くなっていました。


ケーブルにかかる雪荷重

ケーブルのコネクターがパネルの下にないこと、配線ケーブルがパネルからの落雪を避けるためにパネルを避けていることなどの理由でコネクターを含むケーブルが雨ざらしになっています。コネクター内部への水の浸入を完全に防ぐ対策を強化しました。

この写真から近所の電話線、光ケーブル線、テレビアンテナ、雪止め無し急傾斜屋根などの着雪状況を知ることができます。一番下のケーブルの中央付近の着雪のない所からそのケーブルの太さが読み取れます。下の2本のケーブルの断面が回転対称であるために、雪が回転しながら直径がケーブル太さの10倍以上に成長しました。これは非常に珍しい自然現象を写した秘蔵の写真です。電話線や光ケーブルに着雪していますので、発電設備のケーブルにも雪が積もるでしょう。発電設備のケーブルは2本が近接しているので雪の回転成長を妨げるはずですが、この写真のテレビアンテナのように着雪するでしょう。パネル間ケーブルとコネクターは南北直結ケーブルに支えられています。直結ケーブルへの縛りつけを強化しました。

1年後の2014年12月3日、山形と仙台を結ぶ仙山線のそばの樹木が雪によって倒され電線が切断されて停電が起こり、乗客が8時間も車内に閉じ込められたことが報道されました。この時に私の家では湿った雪が30センチくらい積もり、この写真の電話線(下の2本のうちの1本)が雪の重みで切断され、電話が不通になってしまいました。湿った雪は要注意です。



2013年12月14日、ケーブルに雪が左の写真のように積もりました。この程度の新雪で心配する必要はありません。この雪の重さを測ったところ約500グラムでしたので、南北直結ケーブルに支えられたパネル間ケーブルのコネクターは十分耐えられます。



12月14日の雪は全て落雪し、改めて新しい雪がパネルの上に積もり、15日朝までの雪は30センチの厚さになっていました。この写真で気になる点は左右のパネルの間に間隔がありますが、降雪量が多いとパネルの間にも雪が溜まり、ケーブルを包んでしまうことです。雪が柔らかいうちに落ちてしまえば問題ありませんが固まってから落ちるとケーブルを引っ張ることになりそうです。これは予想外の事態です。ケーブルのコネクターを引きちぎるような力がかからないように注意する必要があります。



パネルに積もった15日の雪はその日のうちにパネルから落ちました。この写真は17日朝に撮ったものです。中央の南北梁の雪がまだ残っています。手前側に雪がないのは、下で説明するように、16日に梁を持ち上げる作業をして落ちたからです。単管が十字に交差する所では単管の構造が複雑であるために予想以上に落雪しにくいことが分かりました。東西端で単管がT字に交差する所でも雪が落ちにくい傾向がありました。この雪はケーブルを包み込んでいるので固くなってから落ちるとケーブル、特にコネクターに、危害を加える可能性があります。

この雪は18日でも落ちていません。とりあえず人手で落として、安全に自動落雪できる方法を考えることにしました。

試験的に架台の雪が落ちにくい構造の所の一つをビニール風呂敷で包んで雪が滑りやすくしてみました。別の所では料理用のラップで包んでみました。さらに別の所ではクリアホルダーを切り開いて広げたポリプロビレンシートで包んでみました。大雪のときに効果があるかどうかを観察します。ラップで効果があるなら安価な対応ができます。しかし、ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等で包んだ上に積もった雪は簡単には落雪しないことが分かりました。


 

日本の広い範囲で被害を与えた2014年2月中旬の大雪では2日にわたって50センチの降雪がありました。2月16日、左の写真で中央の南北梁付近の着雪が西から3番目のケーブルを包んでいます。2月19日、右の写真で雪が融けかけてまた冷えたために硬い氷になっていて、小突いても壊れません。10〜20キロ位の重さがありそうです。次の雪が降ればどんどん成長する可能性があります。このようになることは十分予想されてきました。パネル間ケーブルのコネクターにかかる力は南北直結ケーブルが支えていますが、支えられなくなるとコネクターが引きちぎられます。どこまで支えられるのでしょうか。

安全のために西から3番目の列(南北梁に最も近い列)だけでケーブルにかかる雪の荷重に耐える力を補強することを考えます。地中配線が可能なメガソーラーと違って、ソーラーシェアリングでは離れたパネル間にケーブルを配線しなければならない場合が起こります。そのときには単管パイプなどの構造物に固定しながらケーブルを配線します。今回のように一直線上のケーブルを補強するには、ケーブルに沿って補強材を配置すればよいことになります。その補強材を2本の単管の間を繋ぐように固定し、これにケーブルを縛り付けるのです。 その補強材は単管パイプより細くてもよいでしょう。ホームセンターで太い順に、物干し竿、ビニールハウス用パイプ、農業用支柱(イボ竹)に目をつけました。

経費、無駄がでない丁度よい長さ、電触反応対策の容易さ、単管パイプへの取り付けの容易さ、強度を比較します。イボ竹が強度以外全ての点で物干し竿、ビニールハウスパイプより優れています。 太いイボ竹ほど頑丈ですが、それなりに経費もかかります。表面にイボのない支柱の方がよいのですがホームセンターに置いてありませんでした。一番太い20ミリのイボ竹を5本単位で売っているので4束買いました。

  

3月1日、作業しやすい天気だったので補強材を取り付けました。写真左は補強した列を南から写したもの、右は1箇所で詳細を写したものです。イボ竹を単管パイプに紐で縛り付け、ケーブルはイボ竹に結束バンドで縛りつけました。コネクターには水が浸入しないようにビニールテープを巻きつけてありますが、このように縛り付けたことでメンテナンスがしにくくなりました。



パネルにかかる雪荷重と梁の撓み

左の写真は東西中心の南北梁を東から写したものです。この2本の梁が大きく(10センチ以上)下がっています。雪の荷重で梁が撓んだのです。他の場所ではこのように大きな撓みはありません。この日の雪のサンプルを20 cm x 20 cm x 20 cm 切り取って重量を測ったところ570グラムでした。パネル1枚あたりの雪荷重は14キロと計算されます。この荷重でこの撓みが説明できるでしょうか。

東西両端にある南北方向の梁1本にはパネル3枚分、東西中央にある梁1本にはパネル6枚分の荷重がかかることになります。この梁につけた筋交が効けば梁の長さは2メートル、効かなければ5メートルの長さの両端支え、分布荷重で計算される撓みを受けます。パネルだけの荷重では梁が効けば4ミリ、効かなければ62ミリの撓みと計算され、これに雪の荷重を加えると梁が効けば9ミリ、効かなければ151ミリの撓みと計算されます。これは観察と大体一致します。筋交いの役割は重要です。

これまでの雪ではこの撓みは目だっていませんでした。筋交いが効いていたのがこの日の大雪の荷重によって筋交いの締め付けが効かなくなって大きな撓みが発生したと考えられます。梁を持ち上げて筋交いのクランプを締め付け直します。

パネルを載せる単管では撓みが気になりませんでしたが、念のために計算しておきましょう。単管パイプ2本で3枚のパネルからの荷重を受けます。筋交いが無いので長さ5メートル、両端支持、パネル1.5枚からの荷重で計算します。パイプ自重による撓みは11ミリ、パネル1.5枚の荷重を追加すると24ミリ、さらに雪の荷重を追加すると46ミリの撓みとなります。これぐらいの撓みは気になりません。


翌日、車用のジャッキを使って筋交いクランプ締め付け直し作業を行いました。パネルに積もった雪は昨日の大雪は昨日のうちに落ち、その後積もった雪も落ちています。そのために単管パイプの撓みはかなり緩和されています。撓みの量は弾性限界以下だったので荷重が減れば撓みも減ります。写真左はジャッキをセットした状態です。強度が要らない場所の梁から5メートル単管を外してきて、それに撓んでいる2本の単管を単管クランプで固定し、単管の下に車のタイヤ交換用のジャッキを置いたところです。小さな撓みが見えます。筋交いのクランプを緩め、右の写真のようにジャッキを回して2本の梁を持ち上げ、筋交いのクランプを締め付けなおしました。次の大雪で撓みがどうなるか注目します。5メートル単管は長すぎて作業がしにくいばかりでなく、架台の一部から一時的に外したものでした。今後の必要性を考慮して補修用に2メートル単管を買っておきました。

パネル回転式ソーラーシェアリング架台では1本の単管パイプで3枚のパネルを支えるので、パネルを載せるパイプの撓みは92ミリとなり、かなり目立つでしょう。梁で筋交いが効かない場合は30センチ近い撓みとなり、どのような事態になるのか想像できません。筋交いのクランプの締め付け不十分は全く許されないでしょう。つくばソーラーシェアリングプロジェクトの角度可変式架台では70度の傾斜にしていても着雪しました。パネルを1本の単管に取り付ける角度可変着雪回避型ではなく2倍の単管で耐雪荷重型にしておいてよかったと思います。

2月5日〜9日までの5日間、所用で不在になりました。その間日本中で記録的な大雪になり、発電所では60センチの降雪がありました。積雪を放置しましたが、発電量減少以外に何の問題もありませんでした。

パネルの傾斜を大きくして雪の滑落を促す試み

私の向かいの家では屋根の勾配を30度程度にして自然落雪させますので雪下ろし作業を全くしていません。夜に雪が積もっても、日中に温まると雪崩のように落ちていきます。太陽光パネルの積雪も自然に滑り落ちることを期待して30度の傾斜角を設定しました。初雪では自然落下しましたが、厳冬期でも確実に自然落下してくれるかどうかを見極める必要があります。雪がパネルに被さっている間は殆ど発電しませんので、早期自然落雪はパネル破壊防止だけでなく発電量維持のためにも重要です。

パネルを載せる2本の単管の上下差17センチとパネルフレームに開けた穴の間隔34センチは30度の傾斜角に対応するようになっていますが、上下差を変えずに、特定の角度に傾斜角度を変更することができます。パネルを低い位置(南側)で支えているU字ボルトを外し、それが固定されていた単管を梁の上で北側に動かし(それに伴ってパネル傾斜が急になり)、パネルに開けた隣の穴でU字ボルトを片側だけ固定するとパネル傾斜角は37度になります。U字ボルトのもうひとつの方はパネルフレームの穴を通す代わりにフレームの縁をナットとワッシャーで挟むように締め付けます。このようにして西側3列の北端のパネル各1枚(全体で3枚)の角度を変更して着雪状況を他のパネルと比較し始めました。

左の写真はパネルからの落雪途中を示します。日照時間の差が原因で落雪の南北差が見られます。理由は不明ですが、西側の列の落雪が順調です。その隣の列が最も不調です。この時点で、傾斜を急にした3枚のうちの2枚しか落雪していませんが、急にしていないで3枚とも落雪したところは10箇所以上ありました。30度の傾斜を37度にしても効果がなかったことになります。さらに面倒な作業をすれば45度まで傾斜を大きくすることはできますが、その効果よりも逆効果が予想されます。太陽高度が低い時期にパネル傾斜を大きくすると北隣のパネルに影を作ってしまいます。夏であっても朝夕には斜め隣のパネルに影を作ります。それを避けるためには架台間隔を大きくする必要が発生し、土地の利用効率が下がります。土地代が経費の大きな部分を占める日本ではこの効果は無視できません。つくばソーラーシェアリングプロジェクトでは回転できるパネルを70度くらい傾けた状態で着雪した雪が落ちる動画を公開しています。このような極端な傾斜でも着雪自体を防止することはできないようです。

夏の日が高い季節には10度、冬には60度と日の高さに応じた角度可変式架台は最大発電量を追求することがそのまま落雪対策になります。この場合は回転軸にパネルを取り付けるので軸の回転機構に経費がかかります。また別途風対策を講じなければなりません。角度固定式では架台経費を節約でき、風対策も容易です。雪の心配がない場合には、傾斜角度を年平均最適傾斜角(山形では29度、下の稚内の例では33度)付近に固定することになります。雪国ではパネルの積雪による発電量損失を抑える観点からこの傾斜をもっと大きくしたくなりますが、固定角が年平均最適角から外れることによる発電量の損失につながります。この両者の損失の合計が最小になるような角度を選ぶべきです。



NEDOの「大規模太陽光発電システム導入手引書」にあるこの図は稚内メガソーラーが落雪効果を考慮して傾斜角を雪のない場合の33度から45度に増やしましたが、架台経費、夏季の発電量損失も考慮して最適角度として30度に落ち着いた過程を示しています。積雪がある場合の最適傾斜角が積雪のない場合の最適傾斜角より小さいことは注目すべきです。積雪の無い期間での最適傾斜角は年間の最適傾斜角より小さくなるからです。冬季の雪落としよりも夏季の発電増の方が効果が大きいのです。

4月1日、傾斜角を37度にしていたパネル3枚の傾斜角を30度に戻しました。

パネルのフレームの突起が雪の滑落の障害にならないように加工をして雪の滑落を促す

太陽電池パネルのフレームは太陽電池の強化ガラス表面よりも高くなっています。斜めに置いたパネルに積もった雪はガラス面で滑りやすくても低い側のフレームにつかえて落雪しにくくなります。山形県内で太陽熱温水器のパネルを囲むフレームに雪がつかえてフレームが曲げられた、という話を聞きました。雪国での太陽光発電ではフレームに雪がつかえないようにして雪の滑落を促す工夫が必要です。

稚内メガソーラーでは右の図の赤丸で示した部分の形状を加工して非加工のものと比較しています。Jc と表記されたものが It と表記されたものより雪の滑落が起こりやすくなっています。

新潟雪国型メガソーラーでは形状の図面が公表されていませんが、「テイパーのついたフレーム」のパネルを使ってパネル傾斜を20度と30度としています。ここでも傾斜角が大きくないことが注目されます。

2011年1月北海道経済産業局主催で開かれた「太陽光発電セミナー」で発表された講演「克雪型太陽光発電システムの実証試験結果」では図の右側のようにパネルフレームの上面を加工してパネルに積もった雪の滑落を促す効果があることを実証しています。


私が使っているパネルにも左図のようにテイパーはあります。フレームはパネル面より2ミリ高くなっています。テイパーの先端は1ミリくらいの厚さがあります。この形状で稚内や新潟のものと同程度の落雪効果があるかどうかは分かりません。「克雪型太陽光発電システムの実証試験結果」のようにフレームを削りとるようなことはせずに、効果がなければ簡単に元に戻せる方法で、この2ミリの膨らみの効果を軽減して落雪効果を改善する余地があるのかどうかを試してみます。



   

左の図の赤い線で示したようにようにテーパーの先の1ミリの段差を緩やかな曲面で繋ぐように透明な幅19ミリ、24ミリ、48ミリのテープを貼り付け落雪性能を比較した結果、24ミリテープが優れていました。作業しやすい幅であること以外に理由として思い当たることはこのテープが他のテープより薄いということです。幅規格がマイナーなためかテープにカッターが付いていませんでした。鋏で切って切端を抑えていないでテープロールに巻きついてしまうと、頭出しで大変苦労しました。

2014年1月15日、好天にめぐまれ、東端の1列を残して他の5列100枚のパネルに24ミリテープを貼りました。すでに試行的に貼ったものにはテープがパネルから剥離しているものが多数ありました。パネル面とテープとの間に水が入ると接着しないようです。雪が降る中でテープを貼るのはよくないことがわかりました。

  

上左の写真は17日に撮影したものです。右端1列のテープ加工未処理です。18日に東端列の南から5枚を残して全てのパネルにテープを貼り付けました。上右の写真は19日撮影です。これでテープ処理が落雪に有効であることが確認されました。

この写真のように左右のフレームの両方あるいは片側で雪が滑りにくいために中央部あるいは片側の滑りやすい部分が先に下がっている場面が数多く見られます。左右フレームにもテープを貼り付けると落雪性能が改善されると思われます。


24ミリテープはポリプロビレン製です。33メートル巻きを100円ショップで買ってきました。後日気づいたのですが、66メートル巻きも100円でした。耐候性が劣りますので一冬しか持たないでしょう。毎年66メートル3巻の消費(300円の維持費)ですので発電量が8kWh増加すれば採算がとれます。これは容易に達成できる量ですので採算性は十分あります。

劣化が進むと剥がしにくくなると思われますので、春になったら劣化の有無を観察し始めることにします。雪に押されてテープがめくり上がっているものが見かけられます。近いうちにはがすので、貼りなおすかどうか迷うところです。


パネルの表面に撥水スプレーを吹き付けて雪が滑りやすくする試み

さらにパネル表面の滑りやすさを増やすために撥水性のシリコンスプレーをパネルに吹き付けることも試みました。これは雪国で自動車のフロントガラスに雪が凍結しないために利用されています。南西角付近の6枚のパネルに撥水スプレーを1枚あたり5往復ずつ吹き付けました。1日だけ効果がありました。

   

1月17日の朝5センチくらいの雪が積もっていました。撥水スプレーは西側3列、南側2行の6枚のパネルに吹き付けてあります。左の写真では3列目南端のパネルだけで落雪が終了しています。その左隣のパネルで落雪が始まりそうです。デジカメのビデオスイッチを押して待ち構えました。ここをクリックするとビデオを再生します。その後も南西角を除く5枚のパネルの落雪開始がスプレー無しのパネルより明らかに早いことが確認されます(右の写真)。

確かにスプレー処理も有効でした。1缶で20枚のパネルに吹き付けられそうです。120枚のパネルに吹き付けると2400円程度の出費です。スプレー吹き付けによる早期落雪で64 kWh 以上の発電増が期待できるかどうか微妙です。18日、とりあえず西端の列を南から10枚スプレー処理を追加しました。もっと落雪効果が広がることを期待していました。ところが、...

  

左の写真は19日朝撮影です。撥水スプレー処理の結果は全く予想外の状況でした。前日見事な滑りを見せた南の6枚(手前の2行3列)と新規スプレーの10枚(南西角から北へ12枚)が大苦戦しています。テープ処理だけのパネルでは大部分で落雪が終了しているのにスプレー処理を追加したパネルは落雪が遅れています。前日はスプレー処理の効果が明確に示されたのに今回は逆効果が明確に示されています。この傾向は21日撮影の右の写真でもはっきりと再現されます。極端な効果と逆効果が見られた理由は今のところ不明です。スプレー処理の追加は取り止めます。

22日、日が差す前にスプレーを吹き付けたパネルを掃いて表面を見ました。水滴が氷の粒になっています。この写真をクリックすると拡大表示されます。

車検を依頼した自動車屋さんに自動車フロントガラスに吹きかける撥水スプレーの効能について質問する機会がありました。撥水スプレーには流れ落ちるタイプと流れ落ちないタイプの2種類があること、有効期間は意外に短いこと、中性洗剤で洗い落とせることを聞き出しました。水滴が流れ落ちないようなスプレーでも、車が走ると空気の抵抗で水滴が斜めのフロントガラスを上向きに流されるので、車には有効なのですね。太陽光パネルに空気の抵抗はないので不向きです。実験してみて一喜一憂しましたが太陽光パネルの落雪促進には不向きなタイプの撥水スプレーを使ったようです。できるだけ早くパネル16枚を中性洗剤で洗います。

車のバックミラーのように空気抵抗を受けない所に吹き付ける超撥水スプレーは1缶(約900円)でパネル1枚程度にしか吹き付けられません。これでは落雪を早めて得られる発電量増加の効果よりもはるかに大きな出費になります。これは挑戦すべきではありません。


2月3日、水が凍らない気温だったので、スプレーを吹き付けたパネルのうちの6枚を中性洗剤で洗ってみました。スプレーの影響が消えるかどうか注目します。2月20日現在、まだ洗浄の効果は見られません。中性洗剤で洗い落とせるのは超撥水スプレーのことなのでしょう。夏の日照で撥水性が劣化することを期待します。左の写真は2月22日雪を掃いた時のものです。氷の粒がにきびのようにこびり付いて落雪を妨げるのですね。このような状態は3月9日まで続きました。


3月10日、10センチほど積もった雪を掃いてみると、パネル表面は上の写真のような氷の粒が全く消えてスプレーしなかったパネルと同じような状態でした。気象条件の違いなのでしょうか。よく分かりません。

3月11日、西の1列だけ積もった雪を掃き落としてみると氷の粒はありませんでした。写真で左1列はワイパーで掃き落としたので雪は無くなっています。手前の4枚はスプレーを吹き付けて落雪が劣っていたのが、今回は逆に落雪がスプレーなしのパネルより早くなっています。スプレーの逆効果が効果に戻っているのです。

 

その後の日射で雪が全部落ちた後、また雪が降ってきました。左の写真はスプレーなしのものです。降ってくる雪がパネルの暖かさで融けて流れ落ちていきます。右の写真はスプレー有りです。撥水性が残っていて水滴になりますが、流れ落ちません。このまま凍って落雪を妨げるの場合は理解しやすいのですが、落雪を促進するのはどのような場合なのでしょうか。よく分かりません。

翌年、落雪効果の変化の原因が分かってきました。この撥水スプレーは「除雪用」と銘うっています。除雪に使うスノーダンプやスコップなどの道具に吹付けて、道具に着雪することを抑制するものです。2014年12月3日山形で大雪がありました。この時に除雪道具の一部にこの撥水スプレーを吹付けました。昼ごろまでの作業でスプレーの効果があり、作業がし易くなりました。ところが夕方にスコップへの着雪が深刻になり、スコップとして使えなくなりました。そのため、スプレーを吹付けなかった別のスコップで作業を続けました。パネルでの落雪促進効果が逆効果になったことがスコップへの着雪抑制効果と逆効果で再現されました。効果と逆効果との間で条件が違うのは気温の違いです。夕方、作業をしている時は寒くなっていました。「撥水スプレーの着雪抑制効果があるのは気温があまり低くない時で、気温が低くなり過ぎると逆効果になる」として説明できそうです。


窓ガラス用ワイパーで雪を掃き落とす試み

撥水スプレーを洗い落とすために窓ガラス用ワイパーを買いました。一方パネルから落ちた雪は小さな山になっています。さらに1月末ころから足元の雪が硬くなってきています。かんじきやスノーシューなどを履かなくても安全に雪山を足場にして高い位置からパネル上面に手を伸ばすことができるようになってきました。手作業で30分くらいでパネルの雪をワイパーで掃き落とすことができました。窓用ワイパーはパネルの雪落し用としても便利です。手作業での雪降ろしはメガソーラーや屋根置きソーラーでは不可能で、ソーラーシェアリングだけでできる作業です。

パネルにテープを貼り付ける方法や撥水スプレーを吹き付ける方法は日照で雪が暖められるまで落雪効果がありません。ワイパーを使う方法は気象条件に無関係に直ちに効果がでます。しかし人手が要るという欠点があります。人手をかけて落雪させる場合に、発電量の増加はその人件費を賄えないでしょう。メンテナンスフリーを目標にしていますので、この作業は撥水スプレーの影響が消えるまでの一時的なものと位置づけます。

その後この作業はスプレーをかけなかったものも含めた全パネルの表面を観察する点で有益であることが分かりました。3月9日、スプレーを吹き付けなかった南北に並んだパネル数枚で連続してパネルの半分くらいの面積にスプレー面と同じような氷の粒がこびり付いていました。このページの末尾付近でに紹介する「ミステリー」で不思議な割れ目を起こした原因になったのかも知れませんが、この氷の粒がどうしてできたのかは原因不明です。


雪対策のまとめ 強化された耐雪性

3月になって春が近づいてきています。これから大雪は降らないと思われます。これまで雪の影響を受けてから雪対策を試行錯誤してきました。その結果、本発電所の耐雪性が格段に高められました。

ケーブルに着雪する問題はケーブル配線を単純にして経費を節約した本発電所だけの問題です。ケーブルがパネルの下や単管パイプに沿って配線されないので雨や雪に対する対策が必要とされました。コネクターを破壊されないように南北直結ケーブルにパネルからのケーブルを縛りつける方法で対応しましたが単管パイプ配置が込入っている所ではケーブルを包むほど着雪することが確認されました。これが硬くなって成長するとケーブル、特にコネクターに危害を加える恐れがありました。本発電所ではケーブルを単管パイプに沿わせない代わりにケーブルに沿うようにイボ竹を補強材として配置しました。今後、この補強でも不十分であるような積雪があるか、経過を観察します。

パネルへの雪荷重の問題では筋交いのクランプ締め付け不十分の影響が1箇所で見つかりました。100円ショップから買った眼鏡レンチ(一部で六角レンチ)で手の感触だけで締め付ける強さを調整したものです。同じ構造の所が他に5箇所もあって無事でしたので、対応の方法は明快でした。単管パイプ撓みの弾性限界内ですので筋交いのクランプ締め直しですみました。パネルを1本の単管で支える「角度可変着雪回避型」ではなく2倍の単管で支える「耐雪荷重型」にしておいてよかったと思います。この経験で筋交いの重要性が確認されました。

パネルへの積雪の問題は架台強度の問題の他に発電量減少の問題もあります。そのために自然落雪を促す工夫をしました。しかしこの工夫に経費がかかりすぎて発電量回復効果を上回るようでは採用できません。パネル傾斜を大きくする試みを小規模で行いましたが落雪効果は殆どありませんでした。パネルフレームの突起をテープを貼り付けることで緩和することは落雪初期に大きな効果がありました。テープが安価ですので、発電量回復に必要な経費を発電量増による売電増加が上回ることになります。これはメガソーラーや屋根置きパネルではできない、ソーラーシェアリングの利点を生かした方法になります。撥水スプレーを吹き付けることは逆効果でした。超撥水スプレーは高価で明らかに不利益が利益を上回ることになります。窓掃除用ワイパーを使って手作業で落雪する方法は経済的に成り立たないことになりますが、冬の屋外活動としてならば有意義でしょう。

クリックして雪を落とす(遊び)

下の写真に中心付近をクリックすると、そのショックで落雪するパネルが3枚あります。どれでしょうか。3枚全部で雪を落としてみましょう。落雪直前の写真がないので、ここでは別の日の写真を使っています。

ミステリー

1月21日撮影の写真に東から2番目の列の視界内のパネルに共通して、パネルのい右半分が滑り落ちかけて、左半分と滑りかけない部分との間に曲線の境界ができているのが写っています。このように共通して裂け目ができた理由は全く不明です。どなたかこの裂け目の規則性の原因について見解をお持ちの方は教えてください。


雪蛇

1月14日朝、蛇が単管パイプに巻きつきながら登っていくように見える写真を撮りました。単管が滑りやすいので単管に積もった雪は単管の下まで回りこみます。このように切れずに長く繋がっているのを見るのは初めてです。嬉しくて、このソーラーシェアリング発電を放送したNHKの同じ番組「ニュース山形6時」の「とてけろ」(「撮ってください」の山形弁)コーナーに投稿しました。15日に放送されました。画像をクリックして元の写真を大きく見ることができます。

雪解けの謎

2015年3月31日に南から北に向かって撮影しました。近年では最大の積雪量でしたが、ここまで雪解けが進行しました。この写真を撮って意外なことに気付きました。パネルの下では凸凹が発生しますがパネルの外と同じ量の積雪があり、パネルの外側より雪面での日照が少ないはずなのに、パネルの下の雪解けが早いのです。これはどう説明されるのでしょうか。

2016年春にも明らかな差がありました。


その後の雪対策

その後100円ショップで上記の透明テープが売られなくなりました。春にテープをはがすと?がし痕に汚れが残るのでテープで落雪促進することを休止しています。また掃除用ワイパーで雪を落とすことも休止しています。どちらも発電量増加と作業・経費増との比が特別大きくはないからです。

雪がパネルを完全に覆っていれば全く発電しません。翌日に日が差して落雪すれば発電を開始します。その結果2016年まで2日連続で発電しないことはありませんでした。しかし2017年1月11日以降、雪が降り続け自然落雪しないために、全く発電しない日が続いています。雪が続くという予報がでていて14日には日本各地で大雪が降りました。当発電所では50センチの雪が積もりました。自然落雪することが期待できないので15日にプラスチックのスコップで雪下ろしをしました。

6枚のパネルが東西方向に均一の隙間を空けて並んでいます。パネルの並びの中央に1本、東西両端に1本ずつの南北方向の梁があります。梁からパネルの端までの距離は全て同じです。梁の有無に関わらずパネルの間隔が均一であることは、梁の太さを無視すればパネルの影の東西方向の均一性をできるだけよくするものでした。しかし梁の有無は落雪に予想外の影響を与えるものでした。梁の単管パイプどうしが十字またはT字に接続する所(単管パイプを接続するクランプがある所)では着雪が予想以上に大きくなるのです。その雪が溜まって固くなってから落雪するとケーブルに力を与える恐れがあります。西から3列目、6列目のパネルのケーブルを落雪から守るためにイボ竹にケーブルを縛り付けて補強しておきましたが、全くメンテナンスフリーとは言えないかも知れません。安全性を高めるために3枚目、6枚目のパネルを梁から遠ざけることが考えられますが、その分だけ他の隙間を狭めてしまいます。どの程度パネルをずらすかが課題でした。その検討材料を得ることが今回の雪下ろしの目的です。


左の写真は西から3列目のパネルの雪を除去した様子です。パネルの右隣のパネルとの間に南北の梁があるために、その梁と右パネルの上に載った雪の塊がこのように残ります。その雪塊の下をこのパネルのケーブルが通っています。ケーブルはイボ竹に支えられていますが、この雪塊が氷の塊に成長して固くなってから落ちてくればケーブルのコネクターが破壊される恐れがあります。今回の雪下ろしの目的の1つにその対策を検討することがありました。

このケーブルと梁との間を大きくとることが解決策の1つとして考えられます。しかしこのパネルを西側へ移動すると西側でパネル間隔が小さくなり、そこでは落雪がケーブルに危害を与える可能性が大きくなります。梁を含まずに隣接した2枚のパネルに積もった雪は現在の間隔があっても雪が深く積もればやがて上のほうから繋がっていきます。

右の写真は梁なしで隣接した左パネルの右半分の雪を下した状態を示しています。落とす前に雪の上部境界にの雪のくびれがありました。また写真で見えるように右隣のパネルから雪塊が手前に垂れ下がってきています。左側のパネルからの垂れ下がりも同様だったと思いますが、すでに除去しています。代わりにこのケーブルの先を見てください。途中で消えているように見えますが奥のパネル2枚の間に積もった雪の垂れ下がりにうずもれているのです。ケーブルはイボ竹等で補強していないものですが、この写真の2カ所でケーブルが軟らかい雪の垂れ下がりを切断したのでしょう。ケーブルに異変はありませんが、現在の間隔で将来も大丈夫か、これより小さくできるかについては簡単には評価できません。

問題のケーブル(西から3番目、6番目のケーブル)を梁での積雪から遠ざけるのではなく、逆に梁に近づけて梁に縛り付けることも解決策として考えられます。他の列のパネルは梁に隣接していないケーブルが通る場所のパネル間隔を今よりも広くなる利点もあります。この方法の欠点は3番目、6番目の列のパネルの積雪と梁の積雪とが繋がって自然落雪が起こりにくくなることです。

2017年1月18日から20日の作業で、東端の列のパネルのケーブルを梁に縛り付けられるように、パネルを東側へ15センチずらしてみました。ケーブルを縛り付けた梁で自然落雪が起こりにくくなる欠点と、西隣のパネルとの間隔が15センチ大きくなったことによるパネル間積雪が起こりにくくなる利点とを観察します。



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